イマフラ

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#4 クジラの子らは砂上に歌う(感想&紹介)

おはようございます。今回は2年前に読んだとある漫画の感想と紹介です。
少し風変わりな世界観に惹き込まれます。
※ネタバレはありません。

 

 

クジラの子らは砂上に歌う

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 © 梅田阿比(月刊ミステリーボニータ)/「クジラの子らは砂上に歌う」製作委員会

 

 

クジラの子らは砂上に歌う 1 (ボニータ・コミックス)
 

 

 

Netflixでアニメを見返して久しぶりに読みたくなりました。

www.netflix.com




簡単な紹介

 泥クジラと呼ばれる砂上に浮かぶ船があった。

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主人公のチャクロたちはこの泥クジラという船のような島で生活しています。
島では子供から大人までが500人程度。

 

 ここで生活する民は、感情を源とする超能力「情念動(サイミア)」を持つ印(シルシ)と、能力を持たない無印(ムイン)がいます。

 

また、印は能力はあるが短命で無印は能力こそないが長生きという特徴があります。
泥クジラでは民の能力や、寿命を考慮した仕事の分配がなされています。


主人公チャクロは印ですがサイミアを上手く扱えていないので、泥クジラで記録係に任命されています。人の死やこの砂上で起こったあらゆることを記録する仕事です。
物語はそんなチャクロの記録を語りとして進行します。

 

砂上では半年に一回くらい流れ島がやってきます。民にとって食料や資源を確保する機会になります。
ある日、いつもとは一風違う流れ島がやってくるところから物語は動き出します。

 

感想

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以前購入した10巻まで

とにかく設定が面白いです。泥クジラでは感情に関しての独特なルールがあったり、砂上ゆえの文化があったりします。
それでもどこか私達と同じような観念が渦巻いてもいます。

 

特におすすめしたいポイントを紹介していきます。

 

泥クジラの正体

この島では、無印の最年長集団である長老会のみが泥クジラの正体を知っています。
島の中には、この泥クジラだけの狭い生活に対して疑問を持ち、長老会に反発するものも少なくはありません。

 

彼らは泥クジラの外に、自分たちの見たことのない世界が広がっているはずだと信じています。物語が進んでいく中で様々な事実が発覚し、幾度も島全体が動揺につつまれます。

 

王道な展開ですが、世界が砂上で構成されているため個人的には新鮮に感じます。


葬儀で泣いてはいけない

 亡くなった人は砂に流し見送るしきたりがあります。
その葬儀中に泣いてしまうと、砂に眠るたくさんの魂に呼ばれて自身の寿命が減ると信じられているようです。

また印が短命なこともあって、寿命で亡くなることが珍しくないため、そのたびに悲しんでいたら身がもたないという理由もありそうです。

 

それでも感情が抑えきれなくなったときは、両手を握って爪を立てて我慢するのです。
なんとも素朴な行為ですね。

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情念動(サイミア)

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この青く光っている印のようなものがサイミアです。
感情で発動すること以外は私達の想像する超能力にかなり近いですね。
物体を自由自在にコントロールできます。
用途によっては人を助ける力にもなるし、破壊者にもなれるところがミソですね。

 

最後に

 世界観は異色ですが、ひとくせある感情描写が豊かなのでなぜか登場人物に共感できてしまう魅力があります。

漫画はまだ続いていますね。アニメの二期も密かに期待しているのですが......。

私は現在11巻から17巻まで電子版で読み途中です。

 

 

小言

アニメ版のチャクロの声優さんは今鬼滅で大人気の花江夏樹さんですね。

この漫画の着想は作者の梅田阿比さんによると、古い路地にある怪しいお店で手に入れた外国人の日記から得ているらしいです。

 

 

画像出典:

①、②、③/アニメ 『クジラの子らは砂上に歌う』 第一話より